前回の記事で、死亡保障の額を決めるための考え方を紹介しました。
では実際に計算してみましょう。

今回は以下のような例を設定します。

  • 30歳の男性
  • 奥さんは28歳で働いていない主婦
  • 子どもは0歳
  • 現在の生活費は月20万円
  • 住まいは賃貸で家賃が月10万円

この男性の死亡保障額はいくらにすべきでしょうか?

<かかるお金>

1 死亡整理金

葬式代などに200万円が必要だとします。

2 遺族の生活費

子どもが大学を卒業する22歳で独立するとして、それまでの22年間は現在の生活費20万円×70%=14万円×12か月×22年=3,696万円。

子どもが独立してから、奥さんが年金を受け取るようになる(65歳)までの15年間は現在の生活費20万円×50%=10万円×12か月×15年=1,800万円。

合わせて5,496万円と試算します。

ただ、これは奥さんが今と同じ専業主婦の場合です。この例だと、その後ずっと働き続けないというのも不自然かもしれません。このへんはあとでまたちょっと考えてみたいと思います。いちばんお金がかかるパターンということで、いちど計算してみましょう。

3 遺族の住居費

今の賃貸に住み続けると仮定して、奥さんが年金を受け取るようになる(65歳)までの37年間×10万円×12か月=4,440万円。

これも、もっと家賃の安いところに引っ越すとか、実家に帰るといった選択肢は考えられます。とりあえず、お金がかかる場合ということで上記に仮定しておきます。

4 子どもの教育費

これは子どもの進学コースによりかなり変わってしまいます。すべて公立の幼稚園~大学まで行く場合でも1000万円くらいはかかるようで、すべて私立だと2500万円くらいという情報も目にしました。なおかつ、親元を離れて暮らす場合の住居費・仕送りを考えると……気が遠くなってきますが、今回は都合よく学資保険でなんとかなったことにします。

<もらえるお金>

5 遺族基礎年金

この家族の場合、79万2,100円+22万7,900円=102万円(年額)が18年間支給されますので、1,836万円となります。

6 遺族厚生年金

これは予測での概算が難しいのですが、平均的な報酬額が月額30万円程度の人が40年間勤続すると、厚生年金の年額は80万円程度になるそうですから、それで考えてみたいと思います。本人が受け取るはずだった厚生年金の4分の3ですから、80万円×4/3=60万円。これが奥さんが65歳になるまでの37年間、支給されて2,220万円です。

7 寡婦年金、死亡一時金

今回の例ではあてはまりません。

8 そのほか

その他のお金はないものとしておきましょう。

<収支を計算>

死亡整理金 200万円
遺族の生活費 5,496万円
遺族の住居費 4,440万円
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かかるお金合計……1億136万円

遺族基礎年金 1,836万円
遺族厚生年金 2,220万円
――――――――――――
もらえるお金合計……4,056万円

差額は……6,080万円

するとおよそ6,000万円の死亡保障が必要ということになってしまいました。

今回は教育費をすっとばしたのですが、場合によると+1,000万円~+2,500万円かかることになります。

……教育費はともかく、それを抜いても6,000万円も必要なものでしょうか?

ちゃんと計算したつもりでしたが、にわかに不安になってきました。

保険会社のサイトなどを見るとシミュレーションツールが用意されていることもありますね。そこで、次回、同じ設定でツールを試してみて、比べてみたいと思います。