インフレ・円安を推奨するアベノミクスのもとで、「定期預金が損をする!」というフレーズが定説のように言われています。物価の上昇に連動して預金金利も上がるものの、激しい物価上昇率 にはついて行けず、実質金利はマイナスになるため、こんなときは株や投資信託の方に資金を分散するのが得策だとされていますが…。

しかし、ちょっと調べてみると、預金金利が物価上昇率に圧倒された記録はここ20数年では数えるほどしかなく、むしろ多くのケースでインフレ率を上回っていることが分かりました。

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物価上昇率と1年定期預金金利から「実質金利」の推移を表したグラフです(引用:ダイヤモンド・オンライン)。見てのとおり、実質金利がマイナスだったのはオイルショックを受けた1970年代と、消費税が引き上げられた1997年くらいで、他ではほとんど実質金利が勝っています。このデータから、背景に特殊な経済アクシデントがない限り、「預貯金はインフレに弱い」は成立しないと読み取ることができます。

オイルショック時ついて少し付け足すと、当時はまだ金利規制が敷かれていました。銀行は自由に金利を決められなかった時代だったわけです。物価の上昇に連動できず実質金利が大幅に下がったのは、このような背景があったことも理解しておく必要があります。

誰が言い出した定説なのか?

では、「預金預はインフレに弱い」は誰が言い出し、拡散させたフレーズなのでしょうか? 想像するに、一部のマスコミや金融商品販売業者でしょう。

インフレになったときの危険性を煽っておいて金融商品の購入を勧める、シンプルな構図です。本当にそうかと客から問われれ ば、オイルショックや消費税増税時の特殊な例を切り取り、ほらご覧なさい、などと言う。保険会社が30代の人に「がんの罹患率は2人に1人なんですよ」と 不安にさせてがん保険を勧める、あのセールストークと同じです(ちなみに30歳でがんになる確率は0.2%)。

だから金融販売業者は信用するなというわけではありませんが、私を含め、そうしたセールストークの”ごまかし”に気づかず受け入れていた人は結構多いのではないでしょうか。

インフレ対策で投資する必要はない

1年定期預金の限定データではありますが、過去の実績から預金はインフレに弱くないということが判明したため、インフレから現金を守るためにリスクの高い投資をしてはいけません。投資は少し考えただけでも、価格の変動、流動性、為替変動、信用等、さまざまなリスクを背負うことになります。インフレに負けず現金(資産)を増やすのが目的なら構いませんが、インフレ対策として現金を守りたいだけなら、預金でも十二分に機能すると思います。


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