老後資金はいくらあれば安心? 国の年金はいくらもらえる?

老後資金がいくら必要なのか、ということは、なかなか予測が難しい問題です。

もちろん、おおざっぱには、「老後時点で必要な生活費」から「公的年金などからもらえるお金」と「その時点までに貯まっているであろう貯蓄額」を差し引いたぶんを、個人年金などで用意すればよいということになりますが……。

老後の生活費を予測

では、「老後の生活費」はいくらかかるものなのでしょうか?
総務省の統計「高齢者の家計」を調べてみたところ、65歳以上の無職の世帯の毎月の支出は22万7,000円が平均でした(平成22年の統計)。

生活スタイルは人それぞれですので、支出も個人差が大きいです。倹約していくのか、それなりに悠々自適な暮らしを送りたいのか、によっても変わってくるでしょう。住む家をどうするのか、ということも関係してきます。医療や介護に関する費用など、若い時は必要なかった出費も必要かもしれません。

ですので、正確な予測は難しいのですが、普通に考えて、月15~20万円程度は必要なのかな?という推測は、そう大きく外れていないのではないでしょうか。

介護にかかる費用はどれくらい?

高齢になると介護が必要な状態になることもあります。介護の費用についてはなかなか予測が難しいのですが、「高額介護合算療養費」制度のおかげで、医療費と合わせて年額56万円以上はかからないことになっています。

ただし、それは公的な介護保険の範囲の話。医療費の場合でも、差額ベッド代や先進医療など、希望するサービス内容によっては公的保険を越えて費用がかかるように、介護についても、公的な介護保険を越えたサービスを受ければ、その費用はかかってきます。公的な介護保険は最低限の内容です。介護は、入院などとは少しニュアンスが違って、それがもう日々の生活になってしまうわけですから、クオリティ・オブ・ライフの問題です。いくらかかるか?というよりは、いくらかけたいか、という話になってきます。

生命保険文化センターの調査で「要介護状態になったときに月々どれくらいの費用を用意したいか」というのがありました。「用意したいか」ですから、これは希望ベースの統計です。これによると、もっとも多かった回答は「10~15万円未満」。介護が必要になったら、そのくらいの費用がかかるレベルのサービスを受けたいという人が多いということです。

公的年金の額を試算

次に「公的年金などからもらえるお金」がいくらくらいなのかを考えてみます。

まず、「公的年金」は、2段構えになっていることは知っている人も多いと思います。つまり、

・国民年金
・厚生年金または共済年金

です。国民年金はすべての人が加入しています。それプラス、会社員の人は厚生年金、公務員の人は共済年金に加入しています。自営業の人などは国民年金のみとなります。

国民年金は、今のところ、年額およそ80万円程度受け取れます。月にすると6.6万円ですね。この額は物価状況などを見て年によって増減します。また、年金保険料を納めていない期間があったりすると、もらえる額が少なくなってしまいます(支払った期間が一定以上ないと、最悪もらえないことも……)。年額80万円程度というのは満額もらえる場合です。

自営業の人などは国民年金だけですから、もらえる年金は以上(これだけ)になります。

会社員・公務員の人は、このうえに厚生年金・共済年金がプラスしてもらえます。
厚生年金・共済年金については、現役時代にどれくらいのお給料をもらっていたか、何年間勤めていたかなどによって額が変わってきます。つまり人によってもらえる額が違うということです。

だいたいの目安として、月収30万円で40年間勤務した場合で、国民年金と同様、年額約80万円程度の年金が受け取れます。

(正確な額は、毎年、誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」に、国民年金も含めて、自分が将来受け取れるだろう公的年金の試算が載っています。また、年金事務所などに問い合わせて計算してもらうこともできます)

以上を踏まえると、会社員・公務員の人は、国民年金・厚生年金(共済年金)合わせて、月13.2万円程度受け取れる可能性が高いということです。

月15~20万円程度が必要な生活費と考えると、少ないですね。まして万が一の介護リスクなどを考慮すると、月2~7万円程度は、個人年金や貯蓄でなんとかしたいところです。当サイトでは、返戻率の高い個人年金を比較しているので参考にしてみてください。

ですが、老後資金のすべてを個人年金で準備するのも現実的ではありません。個人年金は途中で解約すると損になりますが、そうすると、老後まで、支払ったお金を引き出せないことになってしまいます。突発的な事情で急にまとまったお金が必要になることもあるでしょうから、ある程度は、いつでも引き出しやすい預金の形にしておくほうがいいでしょう。

また、介護のリスクには、介護保険で備えるという方法もあります。

個人年金は安全性とリターンのバランスが良いですが、かといってリスクがまったくないわけではないので、すべての資金を一つの商品、一つの保険会社につぎ込んでしまうのも、もしもの場合によくありません。逆に、少額なら、投資性の高い株などで運用したほうが、全体ではリターンが高くなる可能性もあります。

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