教育資金の積み立てにNISAがいいと聞いたのですが、おすすめですか?Q&A

おすすめかどうかをイエス・ノーで答えることは難しいですね。どちらもメリット・デメリットあり、個人の考えやそのときの貯蓄額などで受け止め方が変わるからです。

ご存知ない方のために簡単に解説しておくと、NISA(少額投資非課税制度)とは、2014年1月から始まった個人向けの税制優遇制度で、NISA専用の口座で行う投資は、1人年間100万円までなら収益が非課税になります。100万円投資し、30万円のリターンを得ても、20%の6万円を引かれなくて済むということです。

非課税で運用できるのは5年間までですが、終了後はさらなる非課税枠に移すこともでき(ロールオーバーと言います)、NISAの口座開設が終了する2023年まで最長10年間の利用が可能です。

さて、学資保険と比べてのメリット・デメリットですが、主には次の点が挙げられます。

【メリット】

上手く運用できれば、学資保険よりも遥かに高いリターンを得られるのは魅力です。さらに、金利固定の学資保険ではできないインフレリスクにも対応できます。これは学資保険の代わりに低解約返戻金型終身保険を選んだときも同じです。

そして、自分でタイミングを見計らって売却する仕組みなので、保険のように中途解約のリスクを負いません。お金が必要な時期があっても、祝金や満期の決まった時期しか受け取れない不便さに縛られないということです。

【デメリット】

まさに、メリットとデメリットは表裏一体です。

まず、投資でリターンを得るということは、相応のリスクを負うということです。学資保険は、返戻率100%以上の商品を選べば必ずリターンを得られますが、NISAは市場の動向次第で元本割れしてしまう恐れがあります。

どの商品に投資するかで結果が違うため、当然、投資スキルも問われます。シンプルで振れ幅の狭い投信信託などを選ぶことである程度解決できますが、確実ではありませんし、そういった商品はリターンが低いです。できるだけハイリターンの商品を選びたくても、投資の世界は一朝一夕の知識でなんとかなるほど甘くありません。

日々変化する市場の動向をチェックするマメさも必要になります。学資保険のように、加入したら自動的に積み立てできるシステムとは違うので、自分でベストのタイミングを見計らって解約しなければ着実な利益が得られません。最近はスマートフォンで手軽にチェックできるとはいえ、性格の差で向き・不向きが激しく分かれそうです。

以上、メリット・デメリットを挙げてみましたが、いかがでしょうか?

どちらが正解とは言えませんが、個人的には、教育資金は必要になるタイミングが分かっているため、その資金集めに不確定な方法を取ることにやや抵抗を覚えます。また、「親の万一」を想定すると、学資保険の方が安心感はあります。